私たち日本人は、長年「ごはん」を主食としてきました。

しかし最近は、糖質制限ダイエットがブームとなり、糖質をふくむ「ごはん」はダイエットの大敵とされています。

これは間違いで、炭水化物はからだに悪いものではなく、からだに「絶対必要なもの」です。絶対必要なものと聞いて、腑に落ちないかたもいるでしょう。しかし、こんな研究データがあります。アメリカのスコット・サロモン博士らが25年にわたって15万人に行った調査では、炭水化物(糖質)の摂取量が

 

総カロリーの40%に達しない人たちは、死亡リスクが高まり、寿命が短縮することがしめされました。

また、炭水化物の摂取を大幅に減らすと、動脈硬化のリスクが高まり、心臓病による死亡率が50%近くも増加するとの報告もあります。さらに、がんによる死亡率の増加や脳梗塞への影響も指摘されています。このことからも、炭水化物を食べないと危険なことがご理解いただけるでしょう。

ハイパー食物繊維=レジスタントスターチ

炭水化物が健康維持に欠かせないのは、糖質がエネルギー源になるだけではありません。炭水化物は糖質と認識している人が多いですが、実は炭水化物の中には「食物繊維」がたっぷりつまっています。

じつは、お米は摂取している食物繊維量のうちの10パーセント以上を占めており、これは全品目の中で第1位です。

つまり、炭水化物を食べないことは、そのまま食物繊維不足に陥ることを意味しているのです。さらに、炭水化物には普通の食物繊維とは異なる、ハイパー食物繊維「レジスタントスターチ」までふくまれています。

レジスタントスターチには腸内環境を良好にする大切な役割があることがわかってきました。食物繊維は性質によって2つに分けられます。

腸の善玉菌の栄養になる水溶性食物繊維と、腸にたまった有害物質を回収する不溶性食物繊維です。この2種類の食物繊維の働きを、たった1つでこなしてしまうのが、レジスタントスターチなのです。

 

日本人は「お米」に育てられてきた

レジスタントスターチのすごい機能は、もうひとつあります。通常、食物繊維は大腸と肛門をつなぐ直腸を素通りしてしまいますが、レジスタントスターチは違います。

有害物質を回収しながら、善玉菌や短鎖脂肪酸を直腸までしっかりと届けることができます。短鎖脂肪酸には、粘膜を強化して免疫力をアップさせる効果があります。直腸は大腸がんの発症がもっとも多い部位です。

レジスタントスターチ以外の食物繊維をいくらたっぷり摂っていても、直腸の環境をよくしなければ、そこからさまざまな疾病が発症してしまうかもしれません。直腸には老廃物や毒素がたまりやすいため、その環境をよくすることは、からだ全体の健康にとっても重要です。有害物質の掃除屋として非常に優秀なレジスタントスターチは、直腸まで元気にしてくれる「ハイパー食物繊維」なのです。私たち日本人は、数千年前からずっと炭水化物をたっぷり食べて生き延びてきました。

炭水化物を食べる量を減らすようになったのは、長い歴史の中でここ数十年のことです。

時代の変化は食の変化をもたらし、食の変化は健康状態に大きな影響を与えます。

みなさんが「レジスタントスターチ生活」を始め、理想の健康と美を手にしてくださることを願っています。

なぜだか毎朝のパン食を良しとしてきたあなた、これを機会に今一度「朝ごはん」を見なおしてはいかがでしょうか。

活力のみなぎる一日が過ごせると思いますよ。

 

 

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